販売の現場を知ろう！現代人の魚消費の行く末は？

摘要

3月号よりスタートした本シリーズも今回で最終回となった。魚消費が減退する中で、消費者に直接対峠する水産物販売の現場がどうなっているのかを見ることで、これからの魚消費の方向、ひいては養殖に期待されることを探ってみたいというのが、このシリーズの意図だった。　魚販売の現場を、内食、外食、中食という食生活の3つの形態に合わせて見ていった。内食に対応するものとして、魚専門店とSM、宅配ビジネス。外食には特に魚メニューが中心になると思われる居酒屋と新業態の魚居酒屋、回転寿司。中食対応として、水産総菜売り場であった。　事例は首都圏中心になった。そのため、全体傾向を十分に反映したものではないかもしれない。ただ、現在10万人以上都市に人口の8割以上が居住していることから、多くの日本人に共通する生活環境の中にある事例といえると思う。内食需要を支えてきた業種専門店がSMにその座を奪われ衰退していく中で、1950年代の創業からしっかりと生き残っている専門店の事例で分かったことは、時代の変化に対応して商売のやり方を変えることが不可欠ということだった（写真1）。