2010年宮崎県における 口蹄疫の発生要因と予防対策

摘要

2010年4月19日、宮崎県児湯郡都農町の肉 用牛繁殖農家で3頭の牛が発熱、食欲不振、 流涎、口腔内のびらん等の症状を示し、緊急 病性鑑定により翌日未明に口蹄疫と診断され た。ロ蹄疫等に関する特定家畜伝染病防疫指 針（防疫指針）に基づき防疫措置が実施された が、以降も感染確認が相次ぎ、大規模肥育牛 農場に加えて28日には日本では初めてとなる豚 での発生が確認されるなど、殺処分と埋却が 発生の増加に追いつかない状況になった。防 疫指針では摘発淘汰を防疫基本方針として定 めていたが、ワクチン接種動物の取り扱いにつ いては具体的に定めていなかつたため、口蹄疫防疫特別措置法を制定し殺処分を前提とし たワクチン接種が行われ、最終的に患畜'疑 似患畜合計約28万9千頭が殺処分された。