「宮崎ハーブ牛」のブランド化と販売の取り組み

摘要

牛肉のブランドは全国に多数存在する。しかし、その内実は単に牧場（企業）名や地名を冠したものであったり、あるいは枝肉等級の上物を選別し、ブランド名としていたりするものが多い。ここで紹介するのは肥育段階七抗生物質の代わりにハーブを給与し、より安全な牛肉を生産している好例である。　調査対象は、宮崎県乳用牛肥育事業農業協同組合（以下、乳肥農協）である。同組合は1972年に設立され、現在の肥育牧場数は、正組合員である32戸の農家と乳肥農協の直営農場である肉用牛研修センターの計33牧場である。　乳肥農協全体の飼養頭数（2008年8月末現在）は2万2411頭（乳用種7469頭、交雑種1万3495頭、黒毛和種1447頭）であり、年間出荷頭数は約1万2000頭（うち乳用種は5500万頭）である。組合員は宮崎県内の7組合に属している。2008年度の素牛や飼料費など購買額は56億9000万円、肥育牛の販売額は58億3000万円である。