納豆菌BN株の投与が鶏コクシジウム症に及ぼす影響

摘要

納豆菌BN株（Bacillus subtilus BN）は，日本国内において飼料添加物に指定されているだけでなく動物用医薬品としても承認されている。 本菌は，鶏の腸内で発芽増殖し，腸内菌叢の定常化に深く関与してる。 また，経済的には鶏の発育促進および飼料要求率を改善する効果が明らかにされている。また，本菌は，鶏の腸内において有害菌であるClostridiaやClostridium perfringensなどを抑制し，有用菌であるBifidobacteriaなどを増殖する。 近年，HACCP関連で注目されている食中毒菌に対しては，試験管内で発育抑制作用を有するのみならず6），Salmonella enteritidisの鶏腸内における定着をも抑制する効果が明らかにされている。さらに，酵母Candida albicans（ヒト由来）に対して増殖阻止を示すことも報告されている。