今度こそ目先の相場ではなく長期的な視点が必要

摘要

国内での鉱物資源開発が困難な日本は，ほとんどのレアメタルを海外からの輸入に頼っている。 資源輸入国の日本にとって,不測の事態が起きても資源を安定的に供給する資源七キユリティーほ戦後だけでも，たびたび議論されてきた問題だ。 供給障害や価格急騰のたびに，資源セキュリティーが官庁や業界団体で叫ばれる仙方で，供給正常化や価格下落で事態が好転すると，そうした主張がたちどころに消え去ってしまう。 日本の資源戦略ほ長い間，目先の国際相場に左右されてきた，といわざるをえない。今回の国際価格の高騰でも，探鉱開発·備蓄·リサギタル·代替材科の必要性が叫ばれる。いずれも供給を安定化させ，レアメタルの需給ひっ迫や価格高騰といった影響を少なくできる。 資源エネルギー庁に設置された資源戦略研究会は，昨年6月に報告書「非鉄金属資源の安定供給確保に向けた戦略」を出した。長期的な視点に立った，報告書が示す探鉱開発·備蓄·リサイクル·代替材料について検証してみる。