顧客起点によるTQMを目指して

摘要

日本経済は緩やかに回復基調であるが，依然として先行きほ予断を許さない状況にある。 政府の「構造改革と経済財政の中期展望」にあるように，今後の日本経済の持続的な成長は，旺盛で活力にあふれた民間部門にかかっている。 残念ながら『Fortune Global 500』によれば，1995年には500社中149社を占めた日本企業が2004年には82社にまで減少し，『IMDリポート』では，総合で60の国または地域中で23位と惨憺たる有様である。 日本経済再生のために，日本企業に最も必要なのは国際競争力の強化である。 私は，今日のIT革命，知識社会化，お客様主導時代，そしてグローバルな大競争時代において，日本企業が国際競争力の強化を図っていくためには，「顧客価値創造経営」と「高効率経営」の二つの経営で際立つことが必要と考えている。