航空機整備技術の伝承と人材育成

摘要

以上，ANA整備部門の「技術伝承と人材育成の仕組み」について述べてきた。 エアラインにおいて整備部門の技術力は極めて重要であり，また，整備技術の伝承と人材育成は単なる教育·訓練で成し得るものではなく多面的な取り組みが必要であるとの認識に基づき，相当な努力を行っていることが理解いただけたかと思う。 一方，人材育成にかかる費用は，必要かつ重要な投資であるが，同時に，その効率化についても常に検討すべきと考えられる。 そのための方策として社内訓練の教育効果向上を図る一方で，教育界の力を借りる，すなわち社会インフラを活かした人相育成によりエントリーレベルを上げ，エアライン業界の人相育成負担を軽減することも考えられる。 現在，航空専門学校などの整備士養成機関の在校生をエアラインがインターンシソ7Cとして受け入れることにより，在校時代に大型航空機の知識·技能·資格を一志度保有した上でエアライングループに入社することができないか，産学官での検討をお願いしているところである。