第81回子宮筋腫核出術に対する術前GnRHァゴニスト投与の有用性 ~出血量，手術時間に対する新しい 客観的指標による検討

摘要

子宮筋腫核出術の術前GnRHa投与における，回数，薬剤の種類による筋腫への効 果およびそれらが手術に及ぼす影響について，bleeding index (BI)[出血量(g)/摘 出物重量(g)]およびoperating index (01)[手術時間(分)/摘出物重量(g)]により検 討した。リュープロレリン酢酸塩1.88mg 6回(A群)，同3回(B群)，ブセレリン酢 酸塩MP1.8mg 3回(C群)，コントロール(D群)の4群間で比較，検討したところ， BI, 01ともA, B, C群でD群より有意に低下したが,A?C間では有意差はなかつた。 また，筋腫の縮小に差はみられなかった。薬剤投与によるhot flushの程度はA>B >Cの傾向が得られた。こうしたことから，子宮筋腫核出術のGnRHa術前投与は副 作用を考慮すれば3回の投与で十分であり，薬剤選択としてはエストロゲン抑制効果 がそれほど強力でない薬剤でも有用であると考えられた。