セキュリティ面で高く評価される機密文書の溶解処理

摘要

2020年度の古紙利用率目標65%の達成に向けては良質な上質系古紙の安定供給が不可欠だが、その供給 源として期待されているのがオフィス系の古紙である。（公財）古紙再生促進センターではこうした問題意識 に基づき、かねてオフィスで発生する古紙の回収およびリサイクルの状況について継続的な調査を実施して きている。2017年度は未利用古紙の一つである機密文書の管理と排出実態にスポットを当てた実態調査を行 い、このほどその結果を小冊子にまとめた。調査対象は無作為に抽出した全国の6,343事業所で、うち18%に 当たる1,135事業所から回答を得ている。それによると、機密文書の廃棄方法を規定している事業者は69%。 そのうち[保存文書]では「社内シュレツダー処理」が61%、「外部業者への委託」が27%。また[日常発生文害]では前者が83%、後者が15%だった。つまり保存文書においても日常発生文書においても、主流は社内での シュレッダー処理となっている。一方「外部委託」の中身をみると、保存文書•日常発生文書を問わず「直接溶 解」が7割以上に達し、「移動式裁断」の15%や「定置式破砕」の11%を大きく上回っている。「直接溶解」は製紙 工場でなければできない処理方法で、事業者はそのセキュリティ性を高く評価していることがうかがえる。