リーマン•ショック直後の約5倍に達した雇調金支払額

摘要

新型コロナ感染拡大に伴い、2020年4月に始まつた現行の雇用調整助成金特例措置は2年目に突入した。東京商エリサーチの調査によると、今年4月末までに決算资料で雇調金を計上、または申請が判明した上場企業は716社に上り、上場企業全体の18.6 %に当たることが判明した。この716社による雇調金の計上額は合計3,944億7.530万円に達しており、5月末の開示分では計上額が累計4,000億円を超える昆通しとなつた。昨年4月に始まった緊急事態宣言による休業措置では当初、従業員数の多い製造や小売の一時休業に伴う申請が目立っていた。その後、航空、鉄道'バスなど交通ィンフラを含む運送と観光·レジャーなどのサービスで計上が相次いでおり、長引くコロナ禍による影響の広がりを示唆している。716社を業種別に分けると、製造が278社(計上額811億6.550万円）で最多。次いで、観光を含むサービス141社（同833億3,140万円）、小売136社(同669億9,430万円）、運送(同1,305億8520万円）と卸売（105億7,170万円）がそれぞれ44社の順。全上場企業に占める利用企業の割合は、小売が38.8%でトップ。次いで航空、鉄道など交通インフラを含む運送が35.2%、サービスが26.7%と続き、いずれもBtoC業種が上位を占めた（製造は18.6%)。ちなみに2020年度分の雇調金支給額は3兆1.555億円で、すでにリーマン•ショック直後の支給額(約6,500億円）の約5倍に達している。政府はこの雇調金特例措置を7月まで延長する方針。全国的な感染者数の増加で、業績回復に時間を要する企業を中心に雇調金の活用力5続いており、東京商工リサーチは計上額がさらに増えるとみている。