プラットフォーマーを巡るマーケティング実践への示唆

摘要

ブラッ卜フォ一マーによるデータ覇権の掌握は.それ以外の企業のマーケティング実践に大きなインパク卜を与えている。本稿では,プラットフォーマーのあり方を企業サイドと消費者サイドの双方から検討し.今日的なマーケティング実践の方向性を示すことを目的としている。そこで，まず企業サイドからチャネル•リーダ一の変遷を「顧客情報の所在」という観点から歴史的に記述する。次に，巨大プラットフォーマーがいかに情報覇権を掌握しているかについて，「ビジネスモデル」と「能力」の観点から整理する。そして，市場サイドから消費者が個人情報を自らすすんでプラットフォーマに提供する理由を「フリー」と「消費者のデジタル化」を通じて考察する。最後に，プラットフォーマーが提供するサ一ビスの活用，顧客経験のデザイン，そして.新しい形態のチェーンの形成の3点から，特にメーカーに対するマーケティング上の含意について論じる。