特集「非住宅系木質構造の未来をまる」の編集にあたって

摘要

2010年の「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」の施行からすでに7年が経ち，様々 な形で庁舎や学校などの非住宅系木質構造物が建てられている。平成27年度の森林•林業白書によれば， 平成24〜26年度の3年間で，国が整備する公共建築物のなかで3階建て以下の比較的木造化しやすい建 物は合計316棟，延べ面積で59,009 m~2であった。そのなかで，木造で整備を行った建物は合計98棟， 延べ面積で17,480 m~2であり，木造化率（延べ面積による比率）は29.6%とまずまずの割合で木造化が進 んでいる。一方で，公共建築物全体で見ると木造化率は未だに10%程度であり，公共建築物以外の建物 も含めて考えれば，まだまだ非住宅系建築物を木造化していく余地は十二分にあると言えよう。