F特異RNA大腸菌ファージを用いた水環境中のふん便汚染源の解析

摘要

水環境中におけるヒトと動物のふん便汚染を解析するうえで，リアルタイムPCRを用いrnたF特異RNA大腸菌ファージの群別判定は，有効な手法になると期待されている。rn本研究では，山梨県甲府盆地内の下水処理場および河川からF特異大腸菌ファージを検rn出し，そのプラックを単離してリアルタイムPCRに供することにより，水環境中のふん便rn汚染源を解析した。F特異大腸菌ファージは，下水流入水に高濃度（340～2,200PFU/ml）rnで存在し，河川水中からは下水処理水と同程度の濃度で検出された。これらの試料から単rn離したF特異大腸菌ファージのブラック132株をリアルタイムPCRに供した結果，123株rn（93%）の種類を同定することに成功した。F特異RNA大腸菌ファージの4種類の群のうち，Ⅰ群は23株（17%），Ⅱ群は77株（58%）およびⅢ群は13株（10%）となり，Ⅳ群は検出されなrnかった。また，10株（8%）はF特異DNA大腸菌ファージに分類された。試料別では，F特rn異RNA大腸菌ファージは，下水流入水からはヒト由来群（Ⅱ，Ⅲ群）のみが検出され，動rn物由来群（Ⅰ，Ⅳ群）は検出されなかったのに対し，下水処理水からはヒト由来群よりも動rn物由来群のほうが多く検出され，鳥類によるふん便汚染，あるいは群による除去率の差異rnなどが原因である可能性が示唆された。また，河川水中ではヒト由来群が優占しており，rnおもにヒト由来のふん便汚染を受けていることが示唆された。