ベトナムの世界遺産八ロン湾周辺の下水道整備で円借款

摘要

(独)国際協力機構(JICA)は2020年11月25日,ベトナム社会主義共和国政府との間で「ハロン市下水排水処理事業」を対象とする118億9,100万円を限度とする円借款貸付契約に調印した。同国北部のクアンニン省の省都の同市には,世界自然遺産のハロン湾や炭田があり,観光業と石炭業がさかhであるが,両産業の排水増加や都市化•人口増加による汚染の増加が進hでいる。2011年の第35回世界遺産委員会では,水質の悪化がハロン湾の普遍的価値を低下させており,改善に取組む旨の指示が採択文書に盛り込まれた。現在,同市には,世界銀行の支援で整備したものを含む5つの下水処理場が稼働しているものの,下水道普及率は2017年時点で約22.5%にとどまつているため,排水能力不足による水災害に対する脆弱性や水質汚染のリスクが高まっている。