河川水からのウイルス及び原虫の同時濃縮法の開発

摘要

水系感染性のウイルス及び原虫を河川水から同一操作で濃縮可能にすることを目的とし、静電的引力でウイルス、物理的に原虫を膜に吸着させて回収する「陰電荷膜破砕型ウイルス・原虫同時濃縮法」を開発した。この同時濃縮法による河川水500mLからの平均回収率は、ポリオウイルスが54％（ブラック法で定量）及び37％（リアルタイムPCR法で定量）、クリプトスポリジウムが62％、ジアルジアが57％となった。また、利根川中流域の河川水（8試料、各5L）に同時濃縮法を適用した結果、アデノウイルス（陽性率88％）など6種類のウイルス、クリプトスポリジウム（88％）及びジアルジア（63％）を検出することに成功した。