手洗い•消毒過程における皮膚常在菌の挙動と生残菌の同定

摘要

健常者の手指表面には黄色ブドウ球菌が最も多く存在し、続いて大腸菌•大腸菌群、酵母•カビ、セレウス菌、サルモネラ菌が存在することがわかった。水道水およびオゾン水による流水手洗いによって手指の細菌数は減少し、その減少は水道水よりオゾン水の方が大きかった。消毒用アルコールおよび塩化べンザルコニウムを用いた揉み手は有効な殺菌方法であることが示された。しかし、これらの手洗い殺菌後、手指表面には再び細菌の出現が認められ、皮膚常在菌であるStaphylococcus warneriおよびStaphylococcus epidermidisの存在が確認され、皮膚深部から表面に出現する皮膚常在菌を除去することは困難であることが示された。