気候変動及び異常気象と水道事業体: 新たな環境への準備

摘要

2012年、アメリカ合衆国は異常気象により大きな影響を受けた。年内に起きた11の気候•気象災害それぞれの損害額は1200億円を超え、年間の被害総額は13兆2,000億円を超えた。今日、世界的な気候変動が起きているという科学的根拠が明らかになってきた。例えば、世界的な平均気温は上がり続けており、将来の温暖化が予想されている。こういった気候変動の影響により、降雨量・降雨パターンの長期的な変化、そして干ばつや洪水などの異常気象の増加、更には気温の上昇による水需要の増加や水源の水質変化が懸念される。これらの気候変動の影響に対応するため給水能力及び水衛生環境を向上させ、安全な水を安定的に供給できる体制を整備する事が基本である。本稿では、気候変動が水道事業体に与える影響を考え、どう対処していくべきか考察していく。