食料品アクセス問題の現状と農林水産省の取組について

摘要

我が国では、高齢化や単身世帯の増加、地元小売業の廃業、既存商店街の衰退などにより、高齢者を中心に日常の食料品の購入や飲食に不便や苦労を感じる方が増えてきており、「食料品アクセス問題」として社会的な課題になっています。このような買い物に不便や苦労を感じる方々は、いわゆる買い物弱者、買い物難民、買い物困難者などと表現され、様々な方法でその数が推計されていますが、農林水産省では、農林水産政策研究所による住民意識調査結果の分析に基づき、生鮮食料品販売店舗までの距離が500m以上で自動車を持たない65歳以上の高齢者を食料品アクセスに最も困難がある方々と想定し、その人口は全国で約380万人(2010年時点)と推計しています。