「想定外てした」ど言わないためのリスクマネジメント

摘要

どんなプロジェクトであっても、その成否はリスクマネジメントがうまく機能したかどうかに大きく依存している。プロジェクトの各段階でそのマネジメントがうまく行われないと躓きを生じ、その時「想定外でした」という安易な言葉で片付けられる場合が多い。リスクマネジメントで最も重要なことは将来起こる可能性のあるリスクをどれだけ抜けなく想定出来るかであり、それが出来さえすれば半分は終わったと言えるかもしれない。続いての作業は、各リスクを評価し、それが許容できるかどうか、許容できない場合はリスクを解消あるいは軽減できる方策を検討し、それを実施することである。リスクは（発現確率×影響度）で表現される。確率や影響度を正確に評価することは容易ではないが、調査•データ収集•解析•経験•かつ直感も動員して推定することになる。確率を下げる有効な手立ては、事前にリスクが発現しないよう種々の対応策を取ること、また影響度を小さくする有効な手立てはコンティンジエンシープランを準備しリスクが顕在化した時のために備えることである。更に、リスクは常に変化するものであると認識することが重要で、プロジェクトの途中で消えてゆくものや新たに生じるもの、またある時点で急に大きくなるものもあり、その都度新たなリスクを想定し、その評価と対策を行ってゆくことが必要である。ここではラービグ計画におけるプラント建設のリスクマネジメントについて、実例を示しながら紹介したい。プラント建設のプロジェクトマネジメントは予算•工程•品質•安全をうまくコントロールすることである力;、まさしくそれは色々なリスクが許容レベルを超えないようにコントロールするリスクマネジメントでもある。