編集後記

摘要

本号では，「地盤地震応答解析の最前線」と題して特集を組みました。入力地震動から，構成則まで最新の地震応答解析に関する幅広い話題を掲載しました。記事全体を一覧すると，ーロに地震応答解析と言っても多様なコードがあり，それぞれに特徴を有していることが分かります。さらにそれらを用いた適用事例を見ても，1か所の盛土を対象にした解析から，kmオーダーの広域地盤の三次元モデルによる解析まで，使われ方も広範囲に渡っていることが分かります。また，地震時の加速度応答に主眼を置いた事例もあれば，液状化後の過剰間隙水圧の消散過程での沈下に主眼を置いた事例もあります。言うまでもなく，ユーザーは適切なコードを選択するとともに，与えられた命題に応じてモデルを使い分ける必要があります。例えば10年後に今回と同様の特集が組まれたならば，その時にはこういった現状がどのように変化しているのでしょうか。今回の特集を契機に今後の動向にも注目していきたいと感じました。