14年以降の半導体牽引役を探る IoTは膨大な商機を提供 先進国はインフラ投資が成長機会

摘要

世界の電子機器生産金額(ハードウエアのみ)は2000年の1兆2200億ドル(約130兆円)から10年に1兆6600億ドル(約170兆円)へ拡大し、20年には2兆7500億ドル(約270兆円)へと大幅な拡大が期待されている。過去10年の間に起こったITバブル崩壊とリーマンショックによりインフラ投資抑制、消費低迷が電子機器の成長鈍化を引き起こした。今後10年で経済停滞が一度はあると仮定しても、電子機器需要は大きな伸びを達成すると予測している。背景には産業機器分野の成長と新興国の中間所得者層の拡大がある。過去10年で拡大した中間所得者層が基礎的なエレクトロニクス機器(炊飯器、冷蔵庫、エアコン、テレビ、携帯電話など)を購入した。しかし、01年と08年の2度の経済停滞によるインフラ投資抑制と先進国の消費低迷により、電子機器市場規模は伸びが低くなっていた。一方で、今後はさらに増加する消費人口とインフラ投資(特にオートメーション、BEMS/HEMS、エネルギー関連機器、医療)への各国の取り組みが期待されている。スマートフォンとタブレットは20年までさらに拡大が見込まれている。タブレットはノートPCとの境界がなくなり仕事に使われるようになるとみており、スマートフォンは他の電子機器の市場を徐々に侵食することで拡大を続けると予測している。現状ではコンパクトデジカメ、パーソナルナビゲーション、ネットブックPC需要を侵食しており、今後はムービー、TV、パーソナルDVD、ゲーム需要を取り込み、さらにパーソナル医療とつながったり、お財布機能の強化、コンシェルジュサービスなどの機能追加により継続成長が期待される。