新光配向技術を開発 空気の界面を利用

摘要

名古屋大学(名古屋巿千種区不老町、052-789-5111)大学院工学研究科、関隆広教授らの研究グループは、空気の界面を利用した新たな液晶材料の光配向技術を開発した。光を透過しにくい材料に適用できるなど、液晶配向のプロセスや用途拡大が期待できる。液晶材料を応用するためには、液晶分子を意のままに簡便に揃える技術が不可欠である。従来は液晶を挟む固体基板の表面に、液晶分子を並べる能力のある配向膜を設ける手法が用いられてりこ。研究グループは、液晶物質の膜と空気の界面に配向能を持つ厚さ20nm程度のスキン層を設け、液晶材料を配向させることに成功した。高分子液晶誓少量の光配向能を持つブロック共重合体を混ぜ、熱処理を加えることで空気側にスキン層を偏析させた。フォトマスクで偏光を照射することで液晶配向のパターニングに基づく自由な描画ができ、何回でも書き換えが可能だ。スキン層の形成にはフォトマスクのほか、インクジェットなどの印刷技術も用いることができる。