『定期傭船契約において早期返船した場合の船主の被った損害額の算定につき、返船時の売船価額と契約上の返船時期における市場価額との差額を控除すべきか?』

摘要

小型クルーズ船"NEW FLAMENCO"（以下「本船」という）は、2004年2月13日、NYPE書式に基づきスペインを代表する観光グループに定期傭船に出され、その後当時の船舶管理会社が本船を買い取り、船主の地位を引き継いだ。船主と傭船者は、傭船期間を2007年10月28日まで延長したうえ、さらに2009年11月2日まで延長した。ところが、傭船者は、2007年10月28日に本船を返船すると主張したので、同年8月1日、船主はそれを予測される契約履行の拒絶とみなして、契約解除を受諾した。船主は、本船が同年10月28日に返船された後直ちにUS$23,765,000で売却した。