不溶性Cs粒子とは

摘要

事故から2年後に，茨城県つくば市にある気象研究所では2011年3月14〜15日にかけて研究所内で採取して,いたハイボリュームサンプラーのフィルター上より，イメージングプレート（IP)を用いたベータ（β）線ォートラジォグラフィの観察から放射性セシゥム(cs)を濃縮した粒子状のものを見出し，オートラジオグラフィとGe半導体検出器でその放射性セシゥム固有のガンマ線の存在を確認しながら数ミクロン（μm)程度の大きさのCsを高濃度に含む水に溶けない微粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)上で観察することに初めて成功した'。この微粒子(以下.不溶性Cs粒子）はSEMに附属しているエネルギー分散型のX線検出器（EDS）による蛍光X線測定においてそのスぺクトル上にセシウムのLX線が検出できることが示された。その後.これらの試料は放射光施設であるSPring-8の放射光におけるマイクロビーム分析（μ-SR)に供されて粒子がガラス状態の物理性状をもつことやセシウムの分布およびウランの存在までも明らかにされた2。