甲状腺がんの検証は継続されなければならない

摘要

2011年3月11日宮城県牡鹿半島の東南東沖130 km,仙台市の東方沖70 kmの太平洋の海底を震源とするマグニチュード9の巨大地震が発生した。この地震により発生した津波により，東京電力福島第一原発1号機，2号機，4号機が全電源喪失となり，3号機，5号機では全交流電源を喪失することになつた。その結果，稼働中の1号機から3号機の炉心融解がおこり，翌12日15時36分1号機が水素爆発，14日11時1分3号機が水素爆発，15日6時10分2号機から異音が発生し，圧力抑制室の圧力が低下し，大量の放射性物質を大気中に放出したと考えられる。さらに15日6時14分4号機で水素爆発が生じた。大気中に放出された放射能は，高温の溶融炉心から揮発した，ガス状や揮発性の放射性核種が主体であった。最大の放射能放出があつたのは，2号機の格納容器破壊が起きた15日で，この日のタ方から翌朝にかけて放射能プルームが流れていつた浪江町，飯舘村，福島市では運悪く雨や雪が重なつて大規模な地表沈着がおこり，北西方向へ延びる避難指示区域の主要な汚染域が形成された。今中はUNSCEAR(国連科学委員会)2013年報告書をもとにヨウ素131の毎日の大気中放出放射能量 推定値を示している。2度の大量放出が起きていることがわかっている。15日が最大放出で約29PBq/日，ついで23日に約17PBq/日であった。その後，30日まで大量放出が続いている。