オートファゴソーム形成過程の膜変形に迫る

摘要

東京大学大学院医学系研究科の境祐二助教と水島昇教授らの研究グループは、オートファジーのオートファゴソーム形成過程における隔離膜の形態変化を定量的に説明できる数理モデルを構築したと発表した。膜の形態を、膜の曲率に関する弾性曲率エネルギーとして曲率因子を設定して数理モデル化。隔離膜の面積増加とともに曲率因子の分布が変化することが隔離膜の形態変化を可能にし、曲率因子量がオートファゴソームのサイズを制御している可能性があることがわかった。オートフアジーの膜動態の制御機構解明に数理モデルを適用する有効性が示されたとともに、この制御機構解明につながる成果と期待される。成果は国際科学誌「iScience」オンライン版8月15日号に揭載された。