パーキンソン病前駆期を再現京大がモデルマウス作製

摘要

京都大学大学院医学研究科臨床神経学の生野真嗣特定助教、山門穂高特定准教授らの研究グループは、筑波大学、順天堂大学、京都府立医科大学と共同で、パーキンソン病(PD)の前駆期のモデル動物の作製に成功した。パーキンソン病(PD)は、ドーパミン神経の変性をきたす進行性の難病の一つ。日本では15～20万人の患者が存在する。その治療については、ドーパミンを補充するなどの対処療法があるが、発症を予防したり進行を抑えることができる根本的な治療法はないのが現状である。PDは診断時点で、ドーパミン神経細胞が5割前後に減少しているため、治療法の開発には、発症前(前駆期)に病気を診断し治療を開始する必要性があるとともに、この前駆状態を忠実に再現した動物モデルの開発が待たれていた。