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摘要

惑星科学:火星に超火山が存在していた可能性初期の火星に巨大な爆発性火山が存在していた可能性を示す新たな証拠が発見された。このように火星で新しい種類の火山地形が見つかったことで、古代の火星における火山活動と気候の進化に関する理解が変わるとみられる。火星北部の高地にあるアラビア大陸(Arabia Terra)で不規則な形をしたクレーターが観測され、これが、今まで知られていなかった火山地域だとする見解を、J.MichalskiとJ.Bleacherらが示している。彼らの解釈によれば、この地質学的構造は火山の一種で、地球上の超火山(例えばイエローストーン国立公園の超火山)に似ているとされる。このクレーターの特徴からは、その形成過程が、地球上の超火山と同じように大規模な爆発的噴火とその後の崩落によるものであった可能性が極めて高いことがわかった。そして、この爆発的噴火は、この地域の周辺で発見された火山物質の発生源であった可能性があり、この火星の超火山から放出された揮発性化合物によって火星の気候が変化したと考えられる点を、MichalskiとBleacherらは指摘している。(10月3日号)。