脳しわ類似の微細な凹凸ゴムフィルムに簡単加工

摘要

東京理科大学工学部工業化学科の遠藤洋史助教、田村眞弘氏(大学院生)、河合武司教授らの研究グループは、ワンプッシュでゴムフィルムに脳しわ様の微細凹凸金属(銀)パターンを作製できる手法の開発に成功した。脳のしわや腸のひだといった凹凸構造も細胞表層と内部の細胞骨格の両層の力学的なバランスにより決定される。体や組織が形作られていく発生·形態形成過程では、伸長方向·成長速度の差異、構造シンメトリーの崩壊など、座屈不安定性が三次元組織の複雑な構造化を促進している。遠藤助教によると「開発した手法は、生物のしわ発生過程から着想を得て、表面座屈現象を利用したものです」という。