心房細動の個別化医療実現へ

摘要

不整脈でも最も患者数の多い『心房細罹患者は、およそ100万人いると考えられている。この疾患を持つ高齡者は、心房細動を持たない人と比べて、脳梗塞を約5倍、認知症を約2倍併発してしまう。さちに、壮年期では無症候性患者数が100万人いると推定されている。老年期では寝たきりや健康寿命の短縮、壮年期では就労年数の短縮と、社会的にも心房細動は問题になっている。現在では、約8割の脳梗塞を予防できる新たな抗凝固薬NOACが売り出され、脳梗塞発症を抑制できるようになった。古川教授らは、治療中の心房細動患者に加え、健康診断でも引っかからない無症候性患者を見つけるため、GWAS(ゲノムワイド関連解析)から遺伝的リスクを、マイクロRNAや髙感度の心臓磁場計測の数値から心房細動の発症や重症化のアルゴリズムを生み出し、心房細動に対する個別化医療に結びつける研究を進めている。