新生児脳損傷のEGFR治療

摘要

鼻内上皮増殖因子治療は新生児の脳損傷を救済すると、米国立小児医療センタ-のJ·Scafidi博土らが報告している。(ネイチャー7487号)妊娠期間が32週未満で新生児脳損傷を伴う極早期産児が最近増えているが、その機能を改善する臨床的意義のある治療法は存在しない。びまん性白質損傷(DWMI)は、こうした子どもで一般的にみられ、オリゴデンドロサイト前駆細胞の成熟不全がDWMIに関与している。米国の科学者らは以前、上皮増殖因子受容体(EGFR)がオリゴデンドロサイトの発生に重要な役割を果たすことを明らかにした。今回は、EGFRシグナル伝達が脳損傷後の重要な時期にEGFR発現前駆細胞の内因性応答を刺激し、発達中の脳で細胞および行動の回復を促進するのかどうかを検討した。