痛風モデルカイコをスクリーニングツールに

摘要

♦血中尿酸低下作用物質の探索(9)-痛風モデルカイコを用いた1次スクリーニングシステムの構築(同=摂南大薬、田中龍一郎氏)発表者らは、予備試験用蚕として5齢の家蚕(ぐんま200)および油蚕(金光丸)を用い、アロプリノール(AP)を蚕用生理食塩水に溶解(5mg/dL)、胸部第3節側部から投与(1mg/kg)して、その3時間後に尾角から採血を行った。蚕血の取り扱いは既法に従い、その血漿尿酸値定量には改良HPLC-UV法を用いた。そして、カイコ血漿のHPLCにおける尿酸ピークの純度は酵素(XOD、UC)を添加して検討した。実験の結果、文献の通りに油蚕に高尿酸血症状態が確認され(家蚕との比較)、APは有意にその尿酸値を低下させることが明らかになった。酵素実験では、家蚕および油蚕、両プール血で尿酸ピークの純度が確認され、微量マウス血漿で有用な改良HPLCIUV法のカイコへの適用が実証された。また、APを投与した両カイコ個体すべてが、採血時も生存、桑の摂食を継続していたことは、投与条件の妥当性を示唆している。