連続的に低温分子試料生成 直接吸収スペクトル得る

摘要

赤外周波数コム分光法による低温複雑分子の連続プロービングについて、米国立標準技術研究所およびコロラド大学ボールダー校のB.Spaun氏らが報告している。(ネイチャー7604号)高分解能赤外分光法は、分子の構造とダイナミクスを調べるのに半世紀以上にわたり重要な役割を果たしてきた。室温ではあまり大きくない分子でも占有する回転/振動状態は数百万に及び、スペクトルが非常に密集して特定が難しいことから、そうした研究の大半はこれまで比較的小さく単純な系に限定されてきた。より複雑な分子を標的とするには、広帯域の(すなわち多くの振動バンドに広がる)赤外スペクトルを、高い分解能と高い感度で記録できる方法が必要である。