過熱するSTAP細胞騷動 行き過ぎ報道、ネット中傷懸念冷静な検証•見守り必要

摘要

STAP細胞を巡る多くの報道がなされ、小保方氏に対する個人攻撃の様相を呈した事態にまでなりつつある。ネイチャーに揭載されたSTAP論文については、理研の調査委員会による中間報告で、2つの疑義は研究不正でないことが示されたものの、残る4つの疑義については未だ解決していない。一方、小保方氏の博士論文のコピぺ問題なども浮上し、事態は大学院教育の質保証問題にまで及んできている。さらに日本学術会議が会長談話で指摘しているように、理研の法人としてのガバナンス問題も問われつつある。しかし、これらの問題は個別に冷静に検証されるべきであり、本題を忘れた過现な報道やネットでの個人攻撃などが過熱すれば、研究者が研究成果を発表することに消極的となり、日本の科学研究活動そのものを萎縮しかねない。