流れ場制御によるパンタグラフ舟体の空力音低減手法の検討

摘要

新幹線の沿線環境負荷低減や高速化にとって，パンタグラフ舟体から発生する空力音の低減は重要な課題となっている。鉄道総研では近年，流れ場制御を用いた空力音低減手法の基礎検討を実施しており，本稿ではその代表的な2つの手法の検討結果について報告する。一つめの検討結果は，高風速域でプラズマアクチュエータ(PA)の流れ場制御メカニズムを実現する手法として提案した，定常吸い込み手法に関する検討結果であり，舟体の剥離点近傍に本手法を適用することで，剥離が抑制されてカルマン渦が弱まり，エオルス音を低減できることを確認した。二つめの検討結果はシンセティックジェットアクチュエータ(SJA)に関する検討結果であり，SJAの噴出口を矩形とし，そのァスぺクト比を変更することでSJAから放出される渦輪の特性を調整し，流れ場制御効率を向上できることを確認した。