長寿命電車線路設備を目指した鋼材の表面処理工法の開発

摘要

鋼材から構成される電車線路材料は、脱落等の原因となる腐食劣化を防止するため、防食効果の高い「溶融亜鉛めっき」という表面処理を施して設備されている。経年と共にその亜鉛めっき層が消失して鉄素地が露出すると、腐食劣化が急激に進行するため、特に固定ビーム等の電車線路支持物は、亜鉛めっき層が完全消失する前に補修塗装を周期的に繰り返す事で、機能維持を図っている。しかし、現地の補修塗装作業は高所作業に加え、やむを得ず活線近接作業で実施する場合が多く、危険が伴いコストも高くなる。本稿では、JR西日本において、補修塗装を繰り返さずとも機能維持可能な鋼材の表面処理を目指すため、新たな表面処理工法を開発し加速劣化試験を実施したので、その結果を報告する。