地学教育の構造と総括的な研究に関する現状と課題

摘要

平成24年度から高等学校理科の新教育課程が実施されるに当たって，理科の1科目としてのrn地学の存亡がかかっている．教科としての地学教育は，学校数青から生涯教育としての特別活動・rn課外活動に関する活動を除いた部分にあたり，小学校では1,2年生の生活科,3年生以降の理科，rn中学校では理科の第2分野，高等学校では理科の地学，理科総合などの教科・科目で扱われている．rn1990年代以降，教材・教育方法・教育実践以外で，地学教育の理念・目標，歴史，現状と課題rnなどの総括的な研究が行われてきたが，その数は十分でなく，それらは地史・地層，岩石・鉱物rnの2分野に偏っていた．そして，小学校・中学校・高等学校の教員，大学の教員，研究所・企業rnの研究員の中で地学関係者の多くは，その研究の内容や成果を知らない．それは，研究系の学会rn間，研究系と教育系の学会間の連携の不足，現職教員に対する学会による働きかけの欠如が原因rnである．今後それらの問題を解決するとともに，地学教育の危機感をあおるだけでなく，地学教rn育を前進させる活動が望まれる．%Subject of earth science in high school has steadily declined and little attention has been paid since 1990 s for condition and problems of earth science education except teaching practice, method and material. The new curriculum of science held in 2012 will introduce rnabolition of subject of earth science in high school. Against these ill conditions, cooperation between scientific and educational societies, and educational contribution to school teachers by society, are now needed.