新しい相変化型リライタブル光記録材料光により選択的かつ可逆的に相変化する有機分子の開発

摘要

1．はじめに有機合成という化学的ツールを用いて物性のチューニングが行える有機化合物は，さまざまな応用分野を支える基盤的な材料である。有機分子が持つ固有の性質はその化学構造に起因するものであるが，実際のデバイス化を考えていく際には，その特質を最大限に発揮させるために，それら分子の集合構造や，形態・形状を制御することが，非常に重要な鍵となる。例えば，最近注目されている有機半導体デバイスでは，キャリア移動度が向上する薄膜結晶構造が望まれるが，有機ELデバイスの発光材料では，発光寿命が延びるアモルファス状態の方が都合が良い場合もある。