知られざるコケの世界: 木からたれ下がるコケ,光るコケ,水陸両用のコケ

摘要

コケ植物は光合成を行い,胞子でふえる。また,体を支え,水や養分を運ぶ維管束をもっておらず,水を吸う根もない。コケ植物は小さな"足"で地にはりつき,海氷中を除く,世界のあらゆる場所に生育している。極度の乾燥や寒冷といった過酷な環境下であっても,生存できる術をもっているのだ。ほがの植物とのちがいは何だろうか。知られざるコケの生きざまを紹介しよう。下の写真のように,コケ植物は溪流近くの湿った岩の上や庭園などによく生えているイメージが強い。家の周囲または旅先などで.そのような景観を見たことのある人は多いだろう。実際には,コケ植物は海水中を除く世界のあらゆる場所で生育することができる。コケ植物は種類ごとに生育かに適した環境がことなっており,世界に1万8000種ほど,日本には約1800種が報告されている。