編集後記

摘要

思い付くアイデアをどのように現実化していくのか　これは建築に限らず，どんな分野や場面にでも現れる問題です．そのためには，それぞれの事情を把握し．相反する条件を調整し，本当に求められるもの，必要なものを見つけ出さないといけません．東日本大震災でも多くの建築家や企業や行政のアイデアがどのように地元自治体や住民の生活に定着できるのか．それぞれの状況をふまえて，引いた視点も持ちながら考えることが大切です．それは上からの大きな制度ではできない，建築家が得意なことのひとつだと思います．今月の特集は保育施設です．近年，幼稚園と保育所というふたつの制度を合わせた「こども園」が現れるなど，少子化が進むからこそ，これまでにないアイデアが必要になってきたのかもしれません．そうしてできたそれぞの施設方針と共に多様な建築が現れます．ここにも大量に同じ形式をつくる時代から，それぞれの事情を形にしていく建築があります．