編集後記

摘要

今の建築を考えるには，社会の変革を知ること.これは先日，建築学会のシンポジウムで蓑原敬さんがおっしゃっていた言葉です.ちょうど東京オリンピックが行われた前後，1960年代の日本の状況と，現代を比較してのことです.かっては何もないところに，たくさんの建築や都巿をつくる必要があり，それが大きな挑戦でした.しかし，現代は既にインフラや建築があり，しかもそれらが老朽化していく問題もあります.この違いは，新たに建築や都巿の可能性を見出す必要性をもたらし，それが現代の挑戦のひとっになるのだと思います.そのためには，状況に合わせて建築家の役割を調整する必要も出てぐるかちしれません.これまでの建築が必要とされる場所を探すのか，変容していくのか.これらは対立するものではなぐ調停してはじめて建築や都巿を考えることができるのだと思います.その先に，未来に向けてどのような理念を投げかけることができるのか.そこが問われるのだと思います.