編集後記

摘要

今月号では，集合住宅には多くのことを実現できる可能性を秘めていると思いました.御徒町のアパートメン卜は小さな吹き抜けにより，全体のスケールや空を感じるなど，分けることと共有することへのチャレンジです.他にも都市の構成そのちのをつくったり，復興の礎になるなど，それぞれが新しい事に応えながら，そこでのライフスタイルを描き出しています.その中の団地改修では既存住戸に新しいアイデアを組み込むことで，高齢者対応や街の活性化など，周辺にも新しい可能性をもたらしています.一見地味な変化なのですが，それが可能になると団地が都市のストックとしての価値を発揮できるのではないかと思います（もちろんその時に新しくなる住戸そのもののよさは大切です).そうしたストックの活用は，建築論壇でお話しいただいたビッグデータにもどこか連続しているように思います.既存の都市や建築を，そこから生成されるビッグデータや情報技術によって変化させたり，新しいものとしてつくり出していくことそれらの可能性をよい面，悪い面を含めて注視しないといけないと思いました.