編集後記

摘要

今月は子どものための保育建築の特集です.都心や地方，東日本大靂災の被災地域など，それぞれ異なる状況ながら，子どものための建築のアイデアが実現されています.たとえば「グローバルキッズ飯田橋」(132頁)のように，都心で株式会社が運営したり，「フクマスべース」(62頁)のようにニーズを素早く読み取り，実践する運営や建築のあり方など，子どものために，子どもを育むために，これまでとは違ったやり方ち現れています.また，制度の面では都市公園を利用して保育所ができるように国家戦略特区で解禁されたり，保育土の賃金引き上げなどの対策が出されています.こうしたさまざまな方法で保育を考えるようになっても，まだまだ待機児童や迷惑施設としての問題などのひずみがあるのも事実.それを捉えるには，建築や制度だけではなく，地域や社会の課題として考える幅広い試行が必要になるのかもしれません.建築は将来に向けて計画されるものです.「保育園落ちた」といったweb書き込みにも応えながら，その背後にある，将来の課題についても応える必要があると思います.