LOUIS VUITTON MAISON OSAKA MIDOSUJI

摘要

大阪は，水運に支えられて発展した都市である.江戸期には，一大消費地であった江戸との間を，数多くの菱垣廻船が行き来していた.海に浮かぶそhな和船の，風を孕hだ帆のイメージを，外装デザインの基にした.御堂筋に面する心斎橋と難波との間という立地で,この大通りが持つモニュメンタリティにふさわしく，しかし御堂筋に面する従来の建築が見せる重厚さを避け，かつ最近増えつつあるあまりに表面的な軽薄さも避け,華やかながら落ち着いたデザインの達成を心掛けた.大小10枚の「帆」のレイァゥトは，直接，外が見えることが望まれる階と，景色は要らないが外光が望まれる階，また屋上テラスが望まれる階があり,その組み合わせ方をスタディして決めた.帆は，2次元曲げの合わせ高透週ガラスで,木綿織物模様の白色セラミックプリントを最外部に施すことによって,ガラスであるにもかかわらず，柔らかな表情を生み出し，ガラスが持つ緑色感を弱めた.曲げの種類をできる限り減らすため，個々のガラスパネルと帆の全体形状との間で「最適化」を行なった.帆を支えるスティは,特に夜間，透けて見えるため,その配置がデザィン上重要で，形態と構造双方からの度重なるシミュレーションによって，最終形が割り出された.照明は，各帆の最下層辺に設置された特注LED光源のみによるもので,何度となくモックアップをつくり，検証した.