編集後記

摘要

今月号は木造特集です．掲載させていただいたプロジェクトの地域は東北から九州まで，さまざまところでつくられています．そこで使われている材料は製材，集成材，CLTなど，地域に根ざした材の場合もそうでない場合もありますが，中規模，大規模な建築でも木造が実現可能になってきているようです．その裏には建築家や構造家，生産者らの多くの試行錯誤が積み重なっています．それは昔からある建築材料である木を現代に生かすための技術です（伐採時期を迎えた国内の木を活用する意図もあるでしょう）．さらに今後の計画では，超高層建築（W350）や，巨大な建築（LOOP 50），生産と流通を考えるブロジヱクト（VUILD）など，木の性質をさらに追求するプロジェクトも模索されています．こうした技術をどう生かすのか．たくさんの試みがされている今だからこそ，なぜ，木造でつくるのかを考える必要があるのではないかと思います．今回の特集でも，それぞれの設計者に木造を選んだ理由をコメントしていただきました．それらからも木のこれからを考えてみたいと思います．