タブレツ卜端末を使用したオンエア監視装置の開発

摘要

現在、地上波放送は広い放送エリアをカバーするため、親局（関西は生駒送信所、関東はスカイツリー送信所）以外に、中継局と呼ばれる小型の送信設備を数多く設置し、できる限り多くの世帯に電波が届けられるようにしている。このような中継局は、本社や親局から遠く離れた場所に設置されており、手元でその放送波を受信することはできない。そのため正常に電波が送出されているかどうかは"中継局の機器故障ァラームの通報がない"ことで確認を行っているのが現状である。ところが、デジタル放送はアナログ放送と異なり、放送波の中身の信号に劣化が生じた場合でも、デジタル特有の誤り訂正により、ある下限値以下にならないと異常とならない。そのため放送装置にェラーが無く、一見放送が成立しているように見える場合でも、デジタル信号の中身に異常があり、電波の「品質」が悪くなつていることで、一部の受信機だけ正常に放送が再生できないこともありうる。これは、実際の電波を受信して初めてわかる症状で、送信設備のアラーム監視だけではなく、実際の電波を受信する「品質の監視」が重要である。