活発化するロシアの中東戦略: アラブ世界の独裁的政治的体制に梃子入れ！「ソ連共産党」時代の影響力復活が狙い 流血のシリアでアサド政権支持を装うロシア

摘要

冷戦後、低下していたロシアの中東に対するコミットメントが、ここ数年で急速に高まっている。長らく友好国であったイラン及びシリアの後ろ盾としての存在感が高まり、これに比例するようにして、両国と敵対関係にあるサウジアラビアとの関係が先鋭化してきた。加えて、イラク戦争後に一時はロシアのプレゼンスが駆逐されたかに見えたイラクに対しても再びロシアのコミットメントが復活し、さらには長らく米国の同盟国であったエジプトとも急接近しつつある。では、ロシアが再び中東でコミットメントを強化しているのはどのような理由によるものであろうか。