1人1台端末の時代に、学校図書館はどうICT活用に関わるか: コロナ禍の一斉休校を受けて見えてきたこと

摘要

2020年2月27日の首相官邸での新型コロナウイルス対策本部で決定された一斉休校の要請を受け.全国で多くの学校が休校を決定した。準備期間がほとhどないまま,突如始まった休校,そして在宅学習は,「図書室」というリアルな場所を失ったときに,「学校図書館」は何ができるかという課題を.多くの学校図書館関係者に突きつけた。私が勤務するェ学院大学附属中学校•高等学校(以下,本校)は,東京都八王子市にある併設型中高一貫校である。早い段階からICT活用に力を入れており,2015年度より中学生にタブレットの貸与開始,2018年度からは高校生にBYAD"が導入された。2020年度の今年は,中学生はタブレツトを,高校生はパソコンを全生徒が所持し.授業等に活用している。学校図書館においても,2015年度よりICT活用も含め,情報活用能力の育成ゃァイデアを形にすることなどを目的とした「デザィン思考」(総合的な学習の時間)という授業が,中学生全クラスを対象に実施されている。電子図書館は2018年度より導入され,2020年10月現在のタィトル数は約6,000冊を数える。すべての生徒が個人のデバイスを所持していること,そしてこの電子図書館の存在は.一斉休校の要請を受けた際にも,大きな力を発揮することとなった。