編集後記

摘要

この5年間東京慈恵会医科大学雑誌には、毎年1篇のペースで看護学科教員の論文が掲載されている。それらを見ると原著論文4件、総説1件、原著論文はすベて数量的なデータを統計的に分析するいわゆる量的研究によるものだ。看護系学会誌への投稿論文は、現在圧倒的に質的研究が多い。一部には量的研究が2〜3割にとどまり、7〜8割を質的研究が占めるとされる。質的研究はインタビューや参加観察から得られたテキストデータを元に、人間の「主観的」な経験に注目する。看護は健康障害を有する人の身体的心理的社会的ニーズを明らかにし、それに応えていく営みである。