中・高校生の家庭科の保育体験学習の教育的課題に関する検討

摘要

近年，子どもへの虐待の増加への危機感から，子育て支援の強化とともに親教育の必要性が共通認識されてきている．親教育の対象については，乳幼児を育てている親や，親になることが身近に迫った世代だけではなく，その準備期にあたる青年期前期－すなわち中・高校生の時期から，親になるための資質を育成することの重要性も唱えられている．すでに，伊藤は，「親性」を「次世代の再生産と育成のための資質」とした上で，「親性」の形成過程において，段階的に形成される資質を「親性準備性」とし，中・高校生の発達段階における「親性準備性」の育成における保育体験学習の教育的効果を社会的自己効力感という視点から，明らかにしている．